5月11日、韓国京郷新聞は、正義連新理事長である韓京姫(ハン・ギョンヒ)のインタビューを掲載した。
ソウル鍾路区の旧日本大使館前に設置されている「慰安婦像」を囲むバリケードは撤去された。また、元日本軍被害者とされる人々に対して、異論を述べる行為を刑事罰の対象とする「慰安婦被害者法」も5月3日に施行された。韓京姫は、こうした変化について「慰安婦被害者に対する社会的変化を実感する」と語った。しかし筆者には、それが民主主義社会における言論空間の縮小を歓迎しているようにも映る。
また韓京姫は、「被害者」とされる存命人物が5名となった現在、これからの「慰安婦問題解決運動」について言及した。これまでの「被害者とされる人々の証言」から「記録こそが最も強力な証拠となり、運動の基盤となる」として、「ポスト被害者」時代へ運動の転換が必要だとした。「慰安婦」の生存者が全員いなくなっても、正義連と市民たちは日本政府に対し「公式な謝罪と法的賠償」を求め続けるとも述べた。
だがちょっと待ってほしい。嘘の「記録」はいくら積み重ねても真実には勝てない。韓京姫が示した「ポスト被害者」時代の運動論は、正義連らの運動が「被害者ビジネス」としての性格を強めていることを示している。
もちろん、戦時下の女性が過酷な環境に置かれたことまで否定する必要はない。しかし、それと「日本軍による組織的女性拉致」や「20万人性奴隷」という政治的スローガンを無批判に受け入れることは別問題である。歴史研究に必要なのは、感情的断罪ではなく、一次資料と事実に基づく冷静な検証だ。韓京姫の語る新たな運動論にはその観点は一切ない。
韓京姫の語る新たな運動論は、日本と韓国の間で、韓国の被害者性を永久に維持しようとする政治的・社会的運動への転化をうかがわせる。嘘の被害を未来永劫相続でもしようとしているのだろうか。語り継ぐべきは「真実」である。