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日本政府、国連で「強制連行」「20万人」「性奴隷」を明確に否定!

ジュネーブで開催中の国連女子差別撤廃委員会において、日本政府は慰安婦関連の質疑応答を行い、朝日新聞の大誤報や、吉田清治氏の虚構について詳細にこの問題の経緯の説明を行い、「強制連行」「20万人」「性奴隷」を明確に否定しました。

各委員と政府担当官のやりとりは次のとおりです。
 

◇慰安婦関連質疑応答/2016年2月16日・国連女子差別撤廃委員会


通常質問<マイスター委員(オーストリア)>

 次に慰安婦問題です。私の専門家としての立場を言う時間はありませんけれども、人権の違反であります。これは被害者が納得のいく結果にならなければそうなのです。

 1993年から人権、これは人権の会、国連の会議がウィーンで開催されました1990年以来常にこれは国際的政治的議題にのっていました。オーストリア政府、北京の代表として1995年にまいりました。2014年、日本のオーストリアの大使館からブリーフィングを頂きました。
 そこでご質問です。法的なステイタス、二国間の合意が日本と韓国の間でみられました。それに関してどうやって実施されていくのか、コメントをお願い致します。
 日本の義務は国際人権法の中でどうなっているのでしょうか。他の国の被害者、例えば中国の被害者等に関して、フィリピンの被害者等に関して如何なのでしょうか。
 また、どうやって勧告、いくつか最終形態の本委員会のものをどうやって行っていかれるのでしょうか。その他の国連の勧告に致してもそうです。特に本委員会が2009年に行った勧告ですけれども、そこでは補償、それから加害者の警察の訴追、それから日本の軍当局などに関してこれらが必要だと申しました。
 また、歴史の教科書の改訂も含めてどうなっているのか。あと、被害者中心のアプローチ、それから完全な形で賠償も行って、そしてお詫びも行う、完全なリハビリテーションを行うということ、どうなっているのかこれをお聞かせ頂きたいと思います。


<杉山晋輔外務審議官(日本政府団・団長)>

 まず私としましては、ステイトメントに加えまして書面での回答を、頂いたLOIに対して行っております。そこに添付致しましたのが、先ほど言及がありました日韓合意に対しての文章です。これは昨年の12月の文章となります。回答に先立ちまして重要な点について私のほうから説明をさせて頂きたいと思います。日本語で申し上げます。(以下日本語)
 これまでに申し上げたことに加えて次のとおり主要な点、重要ですので口頭で申し上げます。
 まず、書面でも回答したとおり、日本政府は日韓間で慰安婦問題が政治外交問題化した1990年代初頭以降、慰安婦問題に関する本格的な事実調査を行いました。しかしながら、日本政府が発見した資料の中には、軍や官憲によるいわゆる強制連行を確認できるものはありませんでした。
 慰安婦が強制連行されたという見方が広く流布された原因は、1983年、故人になりました吉田清治氏が『私の戦争犯罪』という本、刊行物の中で吉田清治氏自らが日本軍の命令で韓国の済州島において大勢の女性狩りをしたという虚偽の事実を捏造して発表したためであります。この書物の内容は、当時大手新聞社の一つである朝日新聞社により事実であるかのように大きく報道され、日本・韓国の世論のみならず国際社会にも大きな影響を与えました。
 しかしながら、この書物の内容は後に複数の研究者により、完全に想像の産物であったことが既に証明されています。それが証拠にこの朝日新聞自身も2014年8月5日及び6日を含め、そのあと9月にも、累次にわたり記事を掲載し、事実関係の誤りを認め、正式にこの点につき読者に謝罪をしています。
 また、20万人という数字も、具体的な裏付けがない数字であります。朝日新聞は2014年8月5日付けの記事で、「女子挺身隊とは戦時下の日本内地や旧植民地の朝鮮・台湾で、女性を労働力として動員するために組織された女子勤労挺身隊をさす。目的は労働力の利用であり、将兵の性の相手をさせられた慰安婦とは別だ」としたうえで、「20万人との数字の基になったのは、通常の戦時労働に動員された女子挺身隊と、ここで言う慰安婦を誤って混同したことにある」と自ら認めているのであります。
 なお、性奴隷といった表現は、事実に反します。
 日韓両政府間では慰安婦問題の早期妥結に向けて真剣に協議を行っていたところでありますが、先ほど申し上げたように昨年12月28日にソウルにて日韓外相会談が開催され日韓外相間で本件につき妥結に至り、慰安婦問題が最終的かつ不可逆的に解決されることが確認をされました。
 同日午後、日韓首脳電話会談が行われ、両首脳はこの合意に至ったことを確認し、評価をした次第であります。冒頭申し上げましたように、この時の日韓合意を表す資料は、書面の回答に添付されておりますので、ここでその内容の詳細を繰り返してご説明することはしません。
 日本政府はこれまでもアジア女性基金などを通じて、本問題に真剣に取り組んでまいりました。今後したがって韓国政府が、元慰安婦の方々の支援を目的とした財団を設立し、これに日本政府の予算10億円程度でありますが資金を一括で拠出し、日韓両政府が協力し、すべての元慰安婦の方々の名誉と尊厳の回復、心の傷の癒しのための事業を行うこととなっております。
 現在、日韓両国政府はそれぞれ合意内容を誠実に実行に移すべく取り組んでいるところであり、この点は現時点でも全く変わりはありません。このような日韓両国政府の努力につき、国際社会のご理解を頂けると大変ありがたく思います。ちなみに潘基文国連事務総長を含め国際社会は、日韓両国が合意に達したことに歓迎の意を表明していると承知をしています。
 もう一点だけ最後に付け加えます。いまご質問を頂いた、ホフ・マイスター判事は他の国の例もおあげになりました。
 先の大戦にかかる賠償並び財産及び請求権の問題について、ご指摘になられた点も含め、日本政府は米英仏等45カ国との間で締結したサンフランシスコ平和条約、それだけではなくて、その他の2国間の条約など、これは日韓請求権経済協力協定も含みますし日中の処理の仕方も含みます、こういったものによって、ここでこれらをいちいち説明することはしませんが、誠実に対応してきており、これらの条約等の当事者との間では個人の請求権の問題を含めて法的に解決済みだというのが日本政府の一貫した立場であります。

 最後に一言。にも拘わらず日本政府はアジア女性基金を構築し、我が国の予算からの拠出と一般からの募金によって、一定の活動をしたということも、きちんと説明すると長くなりますのでここでアジア女性基金の詳細については説明しませんが、おそらくここにおられる各委員の皆様はその内容をよくご存じだと思いますので、その点だけ付言をして私の答えにさせて頂きたいと思います。


フォローアップ質問<ゾー委員(主査)>

 私は日本の団長の発言に対して非常に不満を覚えます。一切許容できない発言でございました。歴史は歴史です。誰も歴史を変えることはできません。歴史的な事実については、70年前であってもそれを変更することはできません。
 頂いた発言の中では日本政府の立場として、矛盾をしているということが分かりました。慰安婦の問題を否定なさいました。一方で、日韓の合意が成立したことに関しては、これを歓迎していると仰っていました。もし、慰安婦の問題がないのであれば、なぜ韓国との間に合意を形成する必要があったのでしょうか。
 そして、93年の河野証言に於いて、官憲そして軍が何万人という韓国の慰安婦の採用に携わったと、動員に携わったということが、なぜ表現されたのでしょうか。
 もし、日本政府が慰安婦問題に対しては既に完全に解決されているとお考えなのであれば、そして安倍首相がまた、謝罪の意を表されたということであれば、時の政府が誠実な対応をとるのであれば、すべての慰安婦の女性に対して日本が首相の書面での手紙を送付するべきではありませんでしょうか。70年間にわたって苦しまれた女性に対しての謝罪の手紙を、すべて生存されている慰安婦の女性に対して送付するとともに、加害者の訴追が必要となるのではないでしょうか。これは人権規約そして国際社会おいて求められているものです。

 もし、こういったことを否定されるのであれば、なぜUPIの勧告に基づいて教科書に慰安婦の問題を含めるということに関しても、○○なのでしょうか、ぜひ日本政府の立場を伺いたいと思います。


<杉山晋輔外務審議官(日本政府団・団長)>
 明確にお話しするために日本語でお話しさせて頂きます。同委員からご指摘いただいた点についていくつかお答えをします。

 まず第一に、先ほど内容については既にお配りしてあるので詳しくは説明しませんと申し上げましたが、昨年の12月28日に岸田大臣と尹長官の間で、最終的かつ不可逆的に解決されていることは文書の回答の添付の文書を見て頂ければ明確だと思います。

 従って日本政府がこの問題について、例えば歴史の否定をしているとか、この問題について何の措置も執っていないというご批判は事実に反すると言わざるを得ません。

 ちなみに、先ほどいわゆる強制ということは我々が調査したなかでは裏付けられなかったと申し上げましたが、この岸田大臣の合意の中には「慰安婦問題は当時の軍の関与のもとに多数の女性の名誉と尊厳を深く傷つけた問題であり、日本政府は責任を痛感して」ちょっと飛ばしますが「これらすべての方々に心からお詫びと反省の気持ちを表明する。」そして10億円程度ということですが、日本の予算の措置により財団を設立すると、それから更に色んな説明をしなければいけないのですが、中味について時間がないのでそれ以上は言いません。

 ここで言う当時の軍の関与というのは、慰安所が軍当局の要請により設立されたものであるとか、慰安所の設置・管理および慰安婦の移送について日本軍の関与があったとか、あるいは慰安婦の募集について軍の要請を受けた業者が主にこれに当たったとかいうことであるとかは従来から認めていることであって、私がさっき申し上げたことはそのことと共に、例えば20万人という数字は完全に間違いだと、出した新聞社が認めているとか、そういうことを明確にするために申し上げたわけだし、それから「性奴隷」という表現も事実に反するということを、もう一度ここで繰り返しておきたい。

 ちなみに、書面で回答に添付した両外相の共同発表の文章の中にも「性奴隷」という言葉は一箇所も見つからないのも事実であります。

 従って、いまゾー委員からご指摘を受けましたが、非常に残念なことにゾー委員のご指摘はいずれの点においても日本政府として受け入れられるものではないだけではなくて、事実に反することを発言されたというふうに残念ながら申し上げざるを得ないということを明確に発言しておきたいと思います。